立派な創作でなくてもいいい
創作とは、何だろう?
展覧会に出すのが創作作品だと思っていませんか?もちろんそれも一つです。
でも、本当に大切なのは、自分が、何のしがらみもなく、自由に筆を動かしていくことなのではないでしょうか。
その形には、いろいろとあるでしょう。そこに現れるものが何なのか、意図していくのもいいのかもしれませんが、
無意識に、意図無しに、筆を動かしていきませんか?
そこに必ず、今の自分がいるのだと思います。
そんな自分がいるからこそ、それが自分の創作なんだと思います。
臨書をたくさんして、それが自分でも気がつかないうちに、自分の字の中に入ってしまう。
臨書と創作とは、本来そういう関係でありたいものです。
漢の時代の蔡邕が残したと言われている『筆論』という文章の中に『欲書、先散懐抱、任情恣性、然後書之』という部分があります。
自分の気持ちを自由にして、雑念を取り除き、書いてみようといった内容です。
そのあとに、こんなことも書いています。何かのために書くといったような気持では、どんなにいい筆を持っていてもよいものは書けない。
気になった人は原文を見てみてください。ざっくりと紹介しましたが、創作というのもは、本当に自然に取り組みたいなということです。
今この世の中の環境の中でも、そういった気持ちを大切にしていけば、決して無理なことではないと思っています。
臨書をくり返し、創作をするときは、自然体で臨みたいものです。